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岡部 「く……ッ」
岡部 『成功か……?
……ん……なんだ此処は……ラボじゃ……ない……?
ここは一体……』
まゆり「ねーねー、オカリン。 大丈夫?」
岡部 「まゆり?」
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まゆり「いきなりウッ! ってなってたけど、頭でも痛くなった?」
紅莉栖「……」
岡部 「い、いや……大丈夫だ
それよりまゆり、此処は何処だ?」
まゆり「何処って……ラボだよぉ?
ねぇねぇオカリン、それよりチョコバナナ食べる? おいしいよ?」
岡部 「いや……いい」
岡部 『見慣れない部屋だが、一応ラボなのか此処は……。
しかし、どういう事だ?
Dメールで過去が改変されたのならラボの変化も頷ける。
だが、俺はたった今タイムリープして来た筈。
過去を遡って何故見慣れぬ光景が……?
そ、そうだッ!』
岡部 「クリスティーナよ!
電話レンジ(仮)は何処にある!?」
紅莉栖「だから、ティーナ言うな!
後ろにあるだろ、後ろに!」
岡部 「後ろ?」
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岡部 『あった……が……』
岡部 「誰だ貴様?」
かや 「ん?」
岡部 「ん? ではなぁぁい!
何故、この神聖なるラボの中に部外者がいるのだ!」
まゆり「ちょっとオカリン、何言ってるの? かやちゃんだよ」
岡部 「かや……ちゃん……?
……誰だそれは?」
かや 「ひっどぉい! 私、岡部さんから是非にってラボメンに誘われたのに!
プンスカプン!」
岡部 「俺が……?」
まゆり「そうだよぉ、どうかしちゃったのオカリン?
やっぱり具合悪いんじゃないのかな?
頭大丈夫?」
岡部 「俺を誰だと思っている!
俺は狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真!
己の身体を知らずして世界を混沌に導くことなどできぬわ!
愚問愚問!!
フゥーハハハハハハハ!!!!」
かや 「あはははッ! でたぁ!
岡部さんの、ふぅははは! おっかしぃッ! あはははッ!」
岡部 「ぬ? 俺を馬鹿にすると、いずれ後悔する事になるぞ?
……かやとやらよ……」
岡部 『ん……? かや……?
この名、確かつい最近聞いた覚えが……
……って』
岡部 「あぁああああああああああああッ――!!」
紅莉栖「岡部うるさい」
岡部 『お、思い出したぞ……こいつは確か、最近ダルがやっていた……エロゲのキャラだ!!
待て、落ち着け……冷静になれ……タイムリープしてきた時、何か変わったことは無かったか?
思い出せッ!
……そうだ、確かタイムリープする時、ダルのパソコンのモニタがつきっぱなしになっていたんだ……。
映し出されていたのは、正に、このかやというキャラが登場していたゲームの背景だった。
そう……そして、俺はパソコンの前面に差し込まれていたUSBケーブルに気付き、何気なく接続先を追って……、
そうだ! 電話レンジ(仮)に繋がっている事を確認した瞬間にタイムリープを!』
岡部 「馬鹿な!! だとすると、ここはエロゲの中の世界なのか――ッ!!?」
紅莉栖「厨二病からいきなりエロオタ通り越して妄想厨か、上級者すぎるだろ岡部」
岡部 「黙れクリ腐ティーナ!」
紅莉栖「腐って言うな!
てか岡部、あんたDメール使ったわね?」
岡部 「……ふ、流石に察しがいいな我が助手よ。
だが、俺がさっき使ったのはDメールではなくタイムリープだ」
紅莉栖「……どういう事?」
・
・
・
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紅莉栖「どう見ても妄想です。 本当にありがとう御座いました」
岡部 「ま、待てクリスティーナよ! 真剣に考えてみてくれ
その線しかありえないのだ!
記憶以外は情報化出来ないとお前は確か言ったよな?
だがそれは、もしかして解明し切れていないと言うだけで、
そう、例えば脳内の情報をまるごとコピーペーストという事は出来るのではないか?
それならば強引だが、この状況も納得できる!」
紅莉栖「んなわけあるか!
と言うか、仮にそうだとしても絶対に私は認めない」
岡部 「なぜだ?」
紅莉栖「お前の言う事が本当だとしたら、私はエロゲのキャラになってしまうだろうが!
……待て、……お前、私を攻略しに来てるのか? フラグを立てに来てるのか?」
岡部 「ちょ、ちょっと待て……」
紅莉栖「近寄るなHENTAI――ッ!!」
岡部 「ぬ……ぐ……」
ジャーンジャジャジャーンジャーン♪
紅莉栖「鳴ってるわよ?」
岡部 「……これは、Dメール!」
紅莉栖「何て?」
岡部 「……一通目が、衣装100-0001
二通目が、ヘ配達後14:36
三通目が、に帰還せよ
……どう言う事だ?」
紅莉栖「差出人は岡部?」
岡部 「いや……あらま?」
紅莉栖「は?」
岡部 「心当たりは?」
紅莉栖「あるわけないでしょ。
ただ、行動の目星はついたんじゃない?」
岡部 「ん?」
紅莉栖「何かの衣装を、その番号に届け、
指定された時間にタイムリープすれば岡部は元の世界に戻れるって事じゃない?
まぁ、有り得ないけど」
岡部 「衣装って何だ? そしてこの番号は?」
紅莉栖「私が知るわけないでしょ」
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まゆり「ねえねえ、もしかしてその衣装って、まゆしぃが今作ってるのじゃないかな?」
岡部 「ん、何か心当たりでもあるのか?」
まゆり「んとね、つい最近ね、夢の中にすっごい可愛いお姫様が出てくるんだぁ。
黒髪と金髪の双子のお姫様でね、まゆしぃは、夢の中でそのお姫様とすっごく仲良くなるの。
その夢なんだけど、一回きりってわけじゃなくって、続きがあるんだぁ。凄いでしょ?」
紅莉栖「毎日……かどうかは知らないけど、連続して話がつながった状態で夢を見てるって事?」
まゆり「うん……それでね、仲良くなっていくうちに、
まゆしぃは、このお姫様2人に、なんか可愛い衣装を作りたいなぁって思ったの」
かや 「あ、それひょっとして、あゆみさんとティアラさんとかも知れないです!」
岡部 「知っているのか?」
かや 「はい、そう言われてみれば、今、岡部さんが言っていた番号って、
あゆみさん達が住んでいるとこの住所だったような気がします」
岡部 「まゆりよ、その衣装は完成しているのか?」
まゆり「うん、ついさっき出来たところだよぉ」
岡部 「よし、決まったな。
……あぁ、俺だ……どうやら大変な事件に巻き込まれたみたいだ。
聞いて驚くな、今俺がいる世界は、どうやらそちらとは違う世界らしい……
だが心配するな。たった今、本来の世界に戻れる算段だついたところだ。
必ず戻る……落ち合う場所はいつもの……そうソコだ。
帰ったら祝杯をあげよう。
ああ、全てはシュタインズ・ゲートの選択のままに……
エル・プサイ・コングルゥ」
紅莉栖「自演乙。
と言うか、世界が違うのになんで電話が繋がるんだ?
語るに落ちたな岡部」
岡部 「ぬ、ぐ……くくッ。
こ、これはぁ!
世界線が違えど繋がる、この世で唯一の俺の仲間が開発した――」
紅莉栖「はいはい、厨二病厨二病」
岡部 『おのれぇ! ザ、ゾンビの分際でぇぇ!
覚えていろクリスティーナよ!』
まゆり「オカリン、オカリン、まゆしぃも一緒に付いていってもいいかな?」
岡部 「ん? あぁ……いいぞ」
まゆり「やったぁー!
へへー楽しみだなぁ……あのお姫様が本当にいるなんて。
ドキドキするよぉ」
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岡部 「よし、ではこれよりオペレーション・イェロヴェリルを発動する!!
作戦内容は――
※元ネタは、ツイッターで交流を持つことになった『あらま』さんが、
あゆみとティアラに衣装を作ってくれた事です。
『あらま』さん可愛い衣装ありがとう!!